僕がジャズを聴き始めた頃、今を去ること40数年前になるのだが、その頃から、ブルーノートの企画型ピアノ・トリオ「The Three Sounds(スリー・サウンド)」の人気はイマイチだった。理由はいろいろあったらしいが、僕が記憶しているのは、レーベルが作った企画型のトリオだから、ブルーノートのドル箱トリオで商業主義のコマーシャルなトリオだから、スタンダード曲ばかり演奏していてオリジナリティーが無い、...
我が国のフュージョン・ジャズにおける、伝説的ドラマー神保彰。今までは「ファンク、そしてラテン」がメインの音世界。が、今回は新志向であるAORフィーリングなアルバム『SORA』(昨日ご紹介)と、もう一枚、前作の『30 TOKYO Yellow』からの新志向、ドラムソロにフォーカスしたアルバムを同時リリースしている。
神保彰『アメアガリ』(写真左)。2021年12月のリリース。このアルバムは、ドラムは...
ルイ・アームストロング(Louis Armstrong・愛称「サッチモ」)に関連するトリビュート盤を聴きながら、サッチモの盤で、今まで一番聴いてきた盤ってどれかな、と考え始めた。『Ella and Louis』(1956年)か、いや『Louis Armstrong Plays W.C. Handy』(1954年)もよく聴いた。しかし、一番よく聴いたのは、この盤だろう。
Louis Armstron...
ブルーノートの4100番台は、1961年からスタート。時代は、ハードバップが成熟し、大衆性と芸術性、2つの志向に枝分かれしつつあった時代。大衆性という面では、ファンキー・ジャズやソウル・ジャズ、芸術性という面では、モード・ジャズ、フリー・ジャズなどが代表例だろう。いわゆる「ジャズの多様化」が本格化した時期である。
Donald Byrd『Royal Flush』(写真左)。1961年9月21日の録...
時々、スイング・ジャズ等のオールド・スタイルのジャズが聴きたくなる。今回の切っ掛けは、NHKの朝の連ドラ『カムカムエヴリバディ』。昭和・平成・令和の3時代を、ラジオ英語講座と共に生きた母娘孫3世代のヒロインの一世紀におよぶ家族物語を描くドラマ。このドラマにジャズが出てくるのだ。
ルイ・アームストロング(愛称「サッチモ」)の「On the Sunny Side of the Street」がたびたび...
ジミー・スミスのオルガンは、初期の頃は「プログレッシヴでアグレッシヴ」。これでもか、と言わんばかりに、鋭角な、攻撃的なフレーズを圧倒的なテクニックをもって弾きまくっていた。しかし、1960年代に入る頃から、弾きっぷりにも余裕が出てきて、歌心を重視した「聴かせる」オルガンがとても素敵だった。
『Jimmy Smith Plays Fats Waller』(写真左)。1962年1月23日の録音。ブルー...
レッド・ガーランドのピアノは「右手はコロコロと唄う様な繊細なシングルトーン、左手は合いの手を入れるが如く、タイミングが絶妙のブロックコード」。マイルスのバンドに入った時に「アーマッド・ジャマルの様に弾け」とマイルスに言われる。その結果が、前述のガーランドのピアノの個性なんだが、これって、マイルス仕様のガーランドでは無いかと最近思うのだ。
Red Garland『Bright and Breezy』...
Art Blakey & The Jazz Messengers(アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ)の音が好きだ。バンドの活動が好調な時代も停滞した時代も、ハードバップの良いところが詰まっている。リーダーのアート・ブレイキーのスカウト力の賜なんだろうが、常にその時代時代毎の良いメンバーが集まっていて、ジャズ・メッセンジャーズならではの音が詰まっている。
Art Blakey &...
グラント・グリーン(Grant Green)は、パッキパキな一本弾きファンキー・ギタリスト。そのブルージーかつジャジーなファンキー・ギターは唯一無二なもので、振り返って聴くにつけ、実にジャズらしいギターだなあ、と感心する。しかし、グリーンの現役当時は、あまりウケなかったみたいで、ブルーノートの売り上げに貢献した、という話は聞いたことが無い。
Grant Green 『Sunday Mornin'』...
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